2015年5月5日火曜日

Pediatric Nephrologyの総括

5月から新しいローテーションになりました。私はDiagnostic Radiology @ BIDMCで実習します。


Pediatric Nephrology @ MGH まとめ

実習内容については既に書いているので、そちらを参考にしてください。

実は私、もともと酸塩基平衡とか電解質異常とか体液バランスに関して苦手意識をもっていたので、あえて苦手なものに挑戦して克服しちゃおうという魂胆もあって腎臓内科を希望してみたところがありました。
でも、いざ腎臓内科の実習が始まってみると、病態の把握はもちろん治療のプランを言ってみて、などと初日から求められるレベルの高さに愕然として、「果たして1か月乗り切れるのかな・・・」と半ば弱気になりました。でも、Attendingの先生たちがかなり教育的で、わからないことに関しては懇切丁寧に教えていただいて、1か月で本当に色々なことを学ぶことが出来たと思います。


実習の良かった点
・教育的
どのAttendingも教育的で、質問には時間を割いて答えてくださり、時にはlectureにまで発展したり、質問に関する論文を教えていただいたりしました。また、発表の機会(roundでのプレゼン、外来でのフルプレゼンなど)もありました。


Attending以上の指導医と過ごす時間が多い
Attending以上の指導医しかいなかったので、基本的にAttendingと行動を共にしていました。また、他に学生やresidentなどもほとんどいなかったため、専門知識の豊富なAttendingから直接様々なことを学ぶことのできる恵まれた時間を過ごせました(と今になって思います)。

・派遣前トレーニング(FOCUS)をいかせる
派遣前の海外留学に向けた特別授業では問診、鑑別、プレゼンを重点的に練習していましたが、今回のローテーションでは病棟・外来共にFOCUSで学んだことを試す機会が多かったように思います。

・多数の症例
外来では毎日平均6人ほど(多くはfollow-up)来て、疾患は多岐に渡っていたため、腎臓内科におけるメジャーな疾患を広くカバーできました。

・メンター
とあるAttendingの方には非常にお世話になりました。というのも、毎週必ず実習内容について話し合い、よりよい実習にしようとしてくださったためです。また、わからないことや困ったことについても相談でき、温かく励ましていただきました。

・腎内以外の科も実習できることがある
あまりイベントがなく暇な時には小児救急などを見る機会も運よく与えてくださり、興味深かったです。

実習で大変だった点
どの科でも同じことが言えると思いますが↓

・電子カルテとバイタルサインなどを記録する用紙(医科歯科での温度板に相当する)
どんな情報がどこに書いてあるのかといった形式に慣れるのがまずは一苦労でした。

・略語
カルテなどは基本的に略語で書かれてあることが多く、類推できないものも割とあったため、いちいち調べたり聞いたりする必要があり、時間を要しました。

・薬の名前
これには最後まで手こずりました。特に、外来で患者にどんな薬を服用しているか聞いても聞き取るのが難しかったり作用がわからなかったりで、途中で断念せざるを得ないことがありました。

・平易な言葉で患者に説明する
問診など患者と話をするうえで、専門用語だとはあまり思わずに医学用語を用いて理解されないことがあったので、その場合に医学用語を平易な言葉で置き換えることが意外と難しかったりして、患者から正しい情報を引き出しにくいこともありました。

実習の改善を希望する点
個人的には、特にありませんでした。
強いてあげるとすれば以下の点があるでしょうか。

・マニアックな疾患を既往歴に持つ子が多い
小児科という科の性質上、先天的な疾患を抱える子も少なくないため、外来で実習しているとあまり聞いたことのない疾患に遭遇することがよくありました。

ハーバードの学生のレベルを伺い知る機会が少ない
私と同じ時期に腎臓内科をまわっていた他の学生はいなかったため、ハーバードの学生のレベルを伺い知る機会は少なかったです。(Noon conferenceなどで一緒に行動するので、その時にハーバードの実習の様子や知識の深さなどをある程度知ることは可能)

臨床留学に関する情報を得られにくい
Residentは基本的には学生の私とは違う行動をしていたので会う頻度は少なく、将来アメリカでのResidencyを真剣に考えている人にとっては、Residency programについて聞く機会があまり持てずキャリアプランを立てにくいかもしれません。
メンターにもなっていただいたDr. Sharmaと


放射線科は患者さんとの関わりが薄くて個人的にはさみしく思う部分もありますが、問診や身体所見のみではわからない病変部位を可視化して、診断に大きく貢献するという強みがあるので、次の1か月も引き続き気を緩めずに沢山読影したいと思います。ちなみに、今回はハーバードの学生も留学生も結構いるので、交流できて嬉しいです。

いが

1 件のコメント:

  1. ここでご連絡を差し上げるのが適切かわかりませんが、08年医科歯科医学部卒で昨年10月からHarvard Medical SchoolのDept. Neurobiology (http://harveylab.hms.harvard.edu/) でポスドク研究員をやっている吉良と申します。おそらく皆さんのローテーション先から徒歩5分圏内にいるので、ご帰国前に一緒に食事でもしませんか?Eメールはshin_kira 'at' hms.harvard.edu ('at'を@に変えてください)ですので、気軽にご連絡ください。

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