2015年4月30日木曜日

4月の実習(Advanced Study in Neurology@BIDMC)についてと近況報告

はじめまして。れいかです。
早いもので先週の金曜日で4月の実習が終わってしまいました。


4月は、Beth Israel Deaconess Medical Center(BIDMC)Advanced Study in Neurologyの実習をさせていただきました。Bethの神経内科は、Stroke, General,Consultの3チームに分かれています。
わたしは初めの2週間はGeneral、後半2週間はConsultチームで実習させていただきました。

実習していたBIDMC West Campus
 

実習中多くの時間をすごしたTHE FARR MEMORIAL BUILDING (病棟があります。)










 







 

●まずGeneralチームでの実習について。

GeneralチームではStroke以外のすべての神経疾患を扱います。多種多様な疾患について勉強することができ本当にためになりました。

1週間のスケジュールは以下の通りです。

毎日この通りのスケジュールとは限らず、多少時間が前後します。

Morning Round
学生、ジュニアレジデント、シニアレジデントで病棟回診をします。問診、診察を行い、所見を紙に記録します。
Dr Ronthal Patient Presentation
    実際に患者さんを1人お招きし、神経内科全体で行うカンファレンスです。レジデントが患者さんの経過をプレゼンし、おそらくFellow以上の先生が患者さんに実際に問診、身体診察を行いアセスメント、プランについてディスカッションを行います。
  患者さんの症状にあわせてどのように問診、診察をすすめていけばよいのかが分かりとても勉強になりました。ディスカッションを行っているときはどうしても医師中心になりがちで、患者さんの居心地が悪くならないように常に患者さんを中心にすえた進行をすすめることの難しさも話題にあがりました。
・Neuropathology Conference
 病理の標本についての解説の時もあれば、実際にご検体の脳をスライスしながら解説のときもありました。実際の脳を肉眼でみながら症例について考えることができたのは貴重な経験でした。
・Neurology Grand Round
 神経内科に関わる基礎、臨床研究についてのカンファレンスです。普段はお目にかからないようなかなり上の先生方もいらっしゃっていました。
・Neuroradiology Conference
 神経内科全体で行うカンファレンスです。Stroke, Genaral, Consultの3チーム全体で読影の難しかった症例についてディスカッションします。
・Attending Rounds
学生、レジデント、アテンディングで行うチーム内のカンファレンス。学生またはレジデントが症例について簡単にプレゼンし(チーム内の患者さんはみんな把握しているため、Full presentationは必要とされませんでした。)、アセスメント、プランについてディスカッションします。
・Resident Conference
 様々なテーマについてのレクチャーが行われます。レジデントが積極的に発言しディスカッションしていました。
・Epilepsy Conference
てんかんのコントロールが難しい患者さんについて、長時間モニタリングした脳波や患者さんの映像、他の画像検査の結果をもとにてんかんを専門とするフェロー、アテンディングのもとを訪ねてディスカッションします。
・Chairman’s Conference
 学生、レジデント向けに診療科長の先生がレクチャーをしてくださいます。学生が経験した症例についてプレゼンし、その症例をもとに伝導路など基礎的なことから臨床的な側面までレクチャーしてくださりました。基礎的なことを英語でディスカッションするのはかなり難しかったです。
・On Call
 4日に1度、土日も関係なく20時ごろまでレジデントと当直します。体力的に少しきつかったです。ハーバードでは学生が当直する科も多いらしく、22時ごろまで残る時もあるそうです。Callが1つもなかった日も多かったですが、初見で患者さんをみさせていただける機会なので、勉強になりました。

1週間に2人患者さんを受け持ち、Morning Round, Attending Roundでプレゼンをしたり、毎回ではないですがノートを書かせていただきました。チーム内の患者さんが多くレジデントが忙しいときは学生がどの患者さんを担当しているのか忘れていることも多く、事前にプレゼンさせていただけるようお願いする必要があるときもあり、積極的な姿勢を心がけました。チーム内の患者さんに関してはおおまかにでも全員を把握できるようにつとめました。

●次にConsultチームでの実習について。

Consultチームでは神経疾患以外にも様々なバックグラウンドを持った患者さんを多くみました。
重症でICUに入院されているような方も多く、印象に残った症例も多かったです。

1週間のスケジュールは以下の通りです。

Genaralチームと同様に、毎日この通りのスケジュールとは限らず、多少時間が前後します。
カンファレンスの内容などは、Generalチームで述べたものと同じです。
なかなかタイミングが難しく、自分で新しくコンサルされてきた患者さんを問診、診察しAttending Roundでプレゼンする機会をもてなかったのは少し心残りでしたが、昏睡状態の患者さんの身体診察や管理の仕方、神経疾患に限らず様々な疾患について勉強でき、有意義な実習でした。

実習最終日にレジデントTiffanyと
Tiffanyはヨーロッパ出身で、アメリカで臨床をする上では勝手が違うことも多く大変な時もあるそうです。
TiffanyにはComa Examをたくさん教えていただきました。
























 

 

●この他にも、clerkship directorの先生から直々に身体診察の仕方についてレクチャーいただけたり、学生向けのレクチャーが週に1度あったり、AttendingのClinic(外来)の見学をさせていただいたり、Attendingの専門分野についてRoundの後にレクチャーいただけたりと、盛りだくさんの実習でした。


神経内科の実習を回っている学生はわたしを含めて6人で、ハーバードの学生が4人、中国からの留学生が1人でした。
実習最終日にChrisと



わたしは、1ヶ月間同じチームで、ハーバードの学生Chrisと一緒に実習していました。
Chrisはもともと米軍で働いた後、手に職を持ちたくて医師を志したinterestingなキャリアの持ち主で、実習中は建物やシステムについてだけでなく、英語面、知識面でもかなり助けてもらいました。

チーム内の患者さんに関しては使用している薬に関してなど細部まで把握できているだけでなく、自分の担当患者に関してはレジデントと同等のプレゼンをしていて、レベルの高さを感じました。




 




実習最終日にYaoと
中国から留学にきているYaoにも本当に助けられました。

実習初日に自己紹介した後、This is my first day in clerkship here, so I'm so nervous.と言いあってほっとしたのを覚えています。

Yaoとはチームは違ったものの、自分たちの担当患者さんの診察を一緒に協力してしあったり、寮(Vanderbilt Hall)でお話したりご飯を食べたりしていました。

Yaoは将来アメリカでResidencyをすることを本気で考えていて、とても勉強熱心でした。
わたしも見習わなきゃ...








 

●後輩にすすめるか

◎ハーバードの学生が実習していることも多く(多分)、レベルの高い学生たちと切磋琢磨できる。
◎カンファレンスなど学ぶ機会が本当にたくさんある。
◎身体診察に関してはディレクターの先生から直々に教わることができるし、Roundで数多く先生方の診察方を学べるので身につく。
◎神経疾患だけでなく、さまざまな背景をもった患者さんをたくさんみれる。

×4日に1度のon callがあることもあり、体力的に少しきついかも。
×先生方が忙しいことも多いので、どれくらいinvolveできるかは自分の積極性、努力にかかっている。
×特殊な疾患を持った患者さんも多く、専門用語や略語が多いので、英語が少し大変かも。

こんな感じですね...努力は必要だけど、頑張りがいのある実習なのではないかと思います!
後輩のみなさんが科の希望リストを考えるとき、少しでも参考になれば幸いです。
 

●近況報告

今は1週間の休暇を利用して、ニューヨーク、モントリオール、トロントを旅行しています。
わたしはプロセメでトロント大学のLaboratory of Medicine and Pathobiologyで研究をさせていただいたので、その時お世話になったMike教授、指導教官のBettyはじめ研究室のみんなに会えるのがとても楽しみです!!(> <)♥
Brooklyn Bridge(左)&Manhattan Bridge(右)
NYにて。この景色だけでも感動でしたが、歴史背景をしるとさらに感慨深かったです。
 

ブロードウェイでミュージカル MAMMA MIA!をみました!  So awesome!!!
 
5月はMount Auburn HospitalでUrgent Care Ambulatory Medicineの実習をさせていただきます。
FOCUSで学んだ問診、診察、プレゼンの勉強が生かせそうな気がするので、また頑張りたいと思います。

ではでは長くなりましたがSee you later!!


怜花

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