“Innate Immunity”
私が回っていた臨床免疫というコースは、内容が様々で多くの臨床実習と異なる点がいくつかありました。その一つを紹介します。
水曜日の夕方は免疫関連の基礎研究のセミナーがありました。
「臨床実習なのに基礎研究のセミナー??」
と初めは思いました。が、後々、免疫はまだわからないことが多々ある学問なので、最新の研究の知見が臨床においても大切なのかなと思うようになりました。
ある水曜日の講演者は、アメリカ本土の別の大学の先生ですが、ハーバード大学出身とのことで「母校に帰ってきた」と冒頭に仰っていました。
セミナーのテーマはその先生が取り組まれている自然免疫系とオートファジーの関係。
約1時間のセミナーの後の感想は・・・「めっちゃ面白い!」
丁度近日中に、実習の最終日までに提出するレポートに関して、テーマを決めて実習担当の先生に報告することになっていました。
「自己免疫疾患と自然免疫系に関することを調べたい!」
先生は、基礎でも臨床でも、免疫に関するテーマであれば何でもよいと仰っていたので、「SLEの病態における自然免疫系の役割」というテーマはどうか先生にお聞きしました。このテーマに加えて他にも2つほど候補を上げ、3つの中から先生の承諾を得てこのテーマについて文献を読みまとめることになりました。
「やった!」
自分の興味のあるテーマに関する文献検索は好きなので、のめりこみました(笑)
以前までは、自然免疫系はただ獲得免疫に信号を送るというような働きをすることしか分かっていませんでしたが、最近いろんなことが発見されています。
例えば、Toll-like receptor(Toll様受容体)。
細菌の壁構造(LPS)を感知するTLR-4だけでなく、ウイルスを認識するものも発見されたり、自己免疫疾患においても重要な役割を担っていることが分かってきています。
「自然免疫系だと扱う範囲が広すぎるからもう少し絞るように」と言われていたので、SLEの病態におけるTLRの役割について調べることにしました。
いくつかレビュー論文を読み、まず現在の知見に関して概要をつかむよう努力~
読んでて・・・面白い!
1か月前に今自分がこんなことをしてるとは全く想像してませんでした(笑)
SLEなどの自己免疫疾患において自然免疫がどのように病態に関わっているのかを知ることで、新しい治療法や予防法の考案に役立たせることができるかも・・・
これって、研究を臨床に応用する一つの例?!
膠原病内科のフェローの先生も研究をされてたり、既にPhDを取得されてたり、この実習中は、臨床に携わっていても研究をされている方に(というか研究の方が仕事の大半)多く出会いました。
「研究マインドを持った医療者」というものがどういうものなのか少し具体的に分かってきた気がします。
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